【初めての一人暮らし】
社会人になって数年目、それまでの家族同居から卒業して、独立しようと思い、小田急線沿線相模大野駅周囲のワンルームマンションを探しました。
不動産管理会社が多数ある地域だったので、家賃と駅からの距離等々に見合った物件を見つけられて、初々しい気持ちで新生活をはじめました。
新居に決めた建物は、ファミリータイプの部屋はなく、まるで独身寮のようにワンルームもしくは、2Kタイプのみの住居しかないマンションでした。
当然、住人の方々も学生さんや、自分のような独身社会人が多く、お互いの生活サイクルも様々なので、最初のうちはそんなに気を遣わなくてもいいかも、、と気楽に考えてました。
自分も、普通のオフィスワークだったので、時々残業で帰宅時間が遅くなることはあっても、大概は朝早く通勤して夜8時前後に帰宅する、、という生活サイクルでした。
【非常識な隣人】
自分自身は人並みの《常識》は持ち合わせているつもりなので、夜遅い時間のドアの開け閉めや、水まわりの音など、隣人トラブルにならないよう気を遣っていたつもりです。
ところが、自分の部屋の上階の住人が、明らかに《夜分》という時間帯に、かなりの音量で音楽を鳴らしていることが続いたのでした。
夏なら当たり前のように部屋の窓を開けており、鳴っている音楽が、すごい音量で丸聞こえでした。
自分は引っ越してきたばかりの上に、前述のようにあまり住人同士の交流のないマンションだったので、上階の隣人に直接苦情を申し立てる勇気もなく、こちらが逆に隣人トラブルの被害に遭った気がして、とても解せない気持ちが続きました。
休日もその隣人はあまり外出するタイプの人ではないらしく、自宅で音楽を大音量で《鑑賞》していることが多かったのです。
しばらくそんなトラブルに「どうしたものか?」と悩んでいたのですが、ふと周囲を観察してみると、休日にはその隣人の周囲の住人たちが《敢えて》外出していることに気が付きました。
問題の部屋から大音量が鳴り響くと同時に、バイクで出かける男の人、お友達が遊びに来てたのに、そのタイミングでお友達と一緒に外出し始める女性たち、、、今思い出してみると、どうやら他の住民も、この《騒音トラブル》から逃避していたように感じます。
【不動産管理会社へ相談】
誰も注意・苦情を呈する住人がいなかったせいか、その《騒音問題》が数ヶ月続いたので、自分も「家賃を払ってて、何故こんなことに我慢しなければならないのだろう?」といい加減、腹に据えかね、不動産管理会社に相談の電話をしました。
担当者に事情を説明して、その際には「わかりました。大家さんにその隣人の方に注意しておいてもらうようにお願いしてみます」という回答をもらいました。
これで少しは《騒音トラブル》もおさまるだろうと思っていたのですが、問題の隣人に伝わっていなかったのか、その後も大音量の音楽鑑賞が度々続いてました。
再度、担当者にその旨を伝えたある日、問題の隣人の大家にあたる人からこちらに直接、電話での問い合わせがあったのです。
【トラブルの現実を理解しようとしない】
自分がほぼ毎夜、騒音問題で困っていることや、休日にも問題行動が続くので周囲の住人すら、自分の住居から《退避》している様子を大家に直接説明したのに、彼女からかえってきた言葉は「おかしいですねぇ、、、借家人は一流大学卒で現在も一流企業にお努めのOLさんなんですよぉ...」とまるで聞く耳持たない状態でした。
呆れて物が言えなかったので、結局管理会社の担当者に「当事者の大家さんとは話が平行線をたどりました」と伝えました。
しかし、それは不動産管理会社側も同様の態度で、被害者であるこちらの状況を理解しようとする努力は見られませんでした。
結局、自分で何とかするしかなく、《法テラス》で弁護士にも相談してみましたが、「隣人トラブルって証拠も確保するのが難しいし、特に騒音問題となると人によって感じ方も違うしねぇ」とほぼ投げやりな扱いをうけました。
【借家人より大家の擁護】
社会人として、親に迷惑はかけまいと思い、それまでこのトラブルに関してせいぜい「世間話レベル」しか話してなかったのですが、とうとう我慢にも限界がきたので管理会社担当者及び支店長も同席のうえで、自分の実家で話し合いをしました。
ここまでお膳立てして、自分なりに他人の手間をかけずに解決しようと努力したにも拘らず、不動産管理会社は最終的には何の解決策も講じてくれませんでした。
それどころか、問題の隣人の大家に対して随分気を遣っているようにさえ、感じました。
悔しい思いはあったのですが、結果としては騒音問題が解決できず、そのマンションを退去しました。
「顧客への対処」は不動産管理会社の各支店や担当者にもよるのでしょうが、どうやら自分が携わった業者は借家人への配慮は相当欠如していたと思わざるをえません。