子供が出来て、それまで暮らしていたアパートから家族3人で暮らせるマンションへ引っ越そうと考えたのがそもそもの始まりでした。
あまり環境を変えたくなくて同じ町内で探していたところ、知人から紹介されたのが後にトラブルとなる不動産管理会社です。
代表の男性はこざっぱりとした40代くらいの人で、言葉遣いは基本的には丁寧でしたが、それが時々ぞんざいになったり、まだ若かった私たちを見下している感じがしたので、最初から印象はあまりよくありませんでした。
不動産管理会社への不信感が決定的になったのは、水道の水に黒い錆のような浮遊物が混じっているのを発見した時です。
不動産管理会社へ連絡すると、70代くらいのおじいさんがやってきました。
何か頼むと工具一式持って駆けつけてくれるのですが、話していても要領を得ず、初期対応がこの人でこの不動産管理会社は本当に大丈夫かなといつもは不安になるような頼りなさなのですが、この時は蛇口から出したコップの水を一緒に見て、浮遊物が混ざっていることを確認したら、すぐ代表の男性を呼んでくれました。
しかし、到着してから3人で水道から出てくる水に浮遊物が混ざるのを確認したのに、不動産管理会社の男性は「確かに黒いのが混じってますが、これ以上は対応できません」と言うので納得できずにいると、「みなさん浄水器を付けてるので、こんなことを言う人はいませんよ。あとはわかりますよね?」とまるでこちらが難癖をつけてるとでも言いたげな態度でした。
本来なら、貯水槽に問題があるのか、水道管の劣化が原因か、安全のために原因を究明すべき内容だと思うのですが、子供が生まれたばかりで私たちにはもう一度引っ越しをするだけの余力はなく、それを不動産管理会社もわかっているから足元を見られたのかもしれません。
結局その時はそれ以上対応してもらうことも出来ず、言われたとおりに浄水器を取り付けました。納得は行きませんが、不動産管理会社と関わらなければ特に嫌な思いをすることもないので、何事もなく穏便に過ごしたいと願う日々でした。
何年か経って夫とは離婚しました。
それでも、名義を私に変え、夫が内緒で滞納していた家賃を月々分割で払い、子供と二人で何とかやりくりしていたのです。
ところがある日、我が家の下の階のご家族から、騒音がひどいと苦情が来ていると言われました。
その直後に、そのご家族から騒音に対しての手書きの手紙を受け取っていたので、直接お詫びに行き、床にコルクマットを敷いたり、子供には家にいる時は静かに過ごすよう注意したりと、十分対応したつもりでした。
しかし、不動産管理会社からの騒音の苦情は、そのあとも続きます。
騒音があった曜日や時間を言われるのですが、全く心当たりがなく、「もしかしてうちではないんじゃないでしょうか」と尋ねても、階下の人が言っているんだからの一点張りで取り合ってはもらえません。
そんなことが2週間に1度くらいのペースで繰り返されました。
何も言われない間は穏やかに暮らせるのですが、やはり苦情を言われるといい気持ちはしません。
次第に私はノイローゼのようになり、家の中で子供を歩かせることにも神経質になりました。
どれだけ違うと言っても信じてもらえず、うちが騒音対策を行ってもまったく改善しないなら他に原因があると考えることすらせずに決めつけてきて埒が明かないので、結局こちらが泣き寝入りする形で、社員寮付きの就職先を探し引っ越しました。
そういえば、その1年前くらいに隣に越してきた独身の若い男性が、1年経たないうちに出て行ったのでどうしたんだろうと不思議だったんですが、我が家と同じ理由かもしれないと思うと、背筋に冷たいものを感じました。
最後まで我が家が騒音の原因だと信じて疑わない様子でしたから、うちが引っ越してからも騒音は続いただろうと、度々気になっていたので、何年かしてホームページを確認すると、その物件は別の不動産管理会社の管轄になってました。
騒音問題以外にもトラブルがあったのかも知れませんが、あの対応の仕方じゃ無理もないだろうなと思います。