25年前のことになります。
当時、私は大学生で東京都内でも池袋近くに住んでいました。
池袋といってもサンシャインに近いエリアで東池袋や護国寺などの地下鉄の駅が近い場所で学校に徒歩で通学をしていました。
少し下町情緒のあるエリアで買い物をしたりするにも困らない便利なところでした。
大学進学をした時には姉も大学生だったので世田谷に住んでいたのですが、姉が卒業をして私が一人暮らしをすることになり、大学近くの物件を自分で探して3年生の時に引越しをしてその物件に入りました。
住んでいた物件は鉄骨ではあったのですが、一応マンションという部類に入る建物であり、4階建ての3階でした。
鉄骨の木造ということで隣の声が聞こえやすく、耳を澄ませると何を話しているのかということもわかるくらいでした。
家賃は7万2千円だったことを覚えています。
当時の私からすると大きな金額だと思っていましたが、学生だったので基本的な部分は親が出してくれていて、足りない部分は自分でアルバイトをして生活費に充てていました。
引越しをする際の初期費用に関しても親に負担をかけないようにアルバイト代を貯めて使いました。
物件を決める際には自分の足で探しました。
当時は携帯電話やパソコンもそこまで普及していなかったので、不動産情報というのは自分で不動産屋をまわったりすることで条件に合ったところを見つける形でした。
私も大学の近くの不動産屋の貼り紙などを見たり、実際にお店の中で紹介をしてもらうことでいくつかの物件を検討する形になっていました。
有楽町線などの沿線で探していたのですが、やはり電車を使わなくてもいいような物件であれば交通費もかからないということで多少家賃が高いとしても徒歩圏内が一番いいということで近くで決めました。
東池袋の駅の近くにある小さな個人経営の不動産会社でワンルームの物件を見つけました。
間取りや階数、詳細についても店頭で見せてもらうことができました。
その物件の場所まで行って建物を見ることもできましたが、まだその段階で人が入居しており、内覧をすることができませんでした。
しかし、引越し時期が迫っていたこともあり、建物の外観や詳細からも気に入ったので、契約をすることにしたのです。
入居をしたのが初夏でした。入ったころにはわからなかったのですが、しばらく生活をした時に気付いたのがエアコンのことでした。
少しずつ気温が上がってくる時期の引越しだったのでその時には冷房があり、特に困ることがありませんでした。
梅雨の時期でも除湿はできましたし、普通に生活をすることができました。それが秋になって、肌寒くなってきた時に困った事態になったのです。
元々契約の際には冷暖房完備ということで入居をしたのですが、暖房設備がなかったのです。
今は冷房だけのエアコンというのは珍しく、あまり見かけないのですが、当時は冷房だけのエアコンがあったのです。
私もその部屋に入って初めて知りました。
今こそエアコンが完備されているという物件が当たり前の時代ですが、当時は賃貸にエアコンが完備されているというのはスタンダードではありませんでした。
ですから、私が物件探しをする際にもエアコンが付いているということを条件として挙げていました。
ですから、賃貸の条件でもエアコンが完備されているということを伝えられていましたし、まさか暖房がないとは、と驚きでした。
私がお世話になっていた不動産会社というのは不動産管理会社の役割も果たしており、物件についての相談もすることができました。
毎月家賃も納めていたこともあり、話をすることができる関係でしたが、暖房がないことを伝えても不動産管理会社の役割を持つ立場としても仕方がないという感じの対応でした。
こういったトラブルで不動産管理会社に問題解決をしてもらうという気も起らず、私も若く、強く文句を言うこともできなかったので、そのまま自分で対応するしかないと思いました。
そこで私自身で寒さ対策として電気のストーブを購入して、こたつを冬場は使いました。あまりにも寒い日にはこたつの下に敷布団を敷き、こたつをつけた状態で寝るようにしていました。
今の時代では冷房だけのエアコンというトラブルはなかなかないものですが、当時はとても大変でした。