退去時の敷金返還トラブル
■契約時編
2年更新契約で入居した築27年の江東区のマンションで駅から徒歩25分という立地で家賃は1Kで52,000円でした。
不動産管理会社からいろいろと説明を受けるのですが、退去時の注意点としてハウスクリーニング代を別途30,000円支払う旨の特約事項が設けられていました。
私としては、敷金から償却されるんだろうなと考えていましたが、不動産管理会社の説明は
今でもはっきり覚えていますが、「敷金は綺麗に使っていただければ、全部返却されますので安心してください。少しの汚れやすり傷であれば、ハウスクリーニングで賄えますので大丈夫です」と言われて腑に落ちない点もあったのですが、最終的には納得して敷金2か月、礼金1か月、前家賃1か月、鍵の交換費用15,000円を支払い契約しました。
部屋はリフォームしたばかりでキズやシミ、目立った汚れもなく綺麗な状態でした。私自身もあまり部屋に物を置かない主義のため、大きな汚れや目立ったキズもつかないし、退去する際は敷金も帰ってくるし安心していました。
ただ、この時、入居した瞬間にすべて部屋のいたるところの写真を撮っておけば良かったと退去時に後悔することになります。
■入居中編
入居中はほぼ家に眠りに帰っているような状況で部屋に人を呼ぶこともなく、家具等もあまり置いておらず、入居した時のきれいな状態をほぼ維持して生活していました。
1か所だけ玄関の横の壁の部分にタンボールでこすってしまった跡がついてしまったのは不注意でしたが、それ以外は特段問題もなく、家賃も毎月遅滞なく引き落とされていましたし契約時から賃貸している間は住民とのトラブルや付帯設備の故障などもなく快適に生活ができていました。
■退去時編
更新時期が近付いた際に、転職もあって通勤時間短縮のため引っ越しを決め、不動産管理会社へ
更新しない旨を更新満了となる2か月前にはがきで通知しました。
また、1か月前には退去日についても電話でお伝えし、退去申請の紙に記載、ハウスクリーニング代の前払いをして手続きを取り、退去日に滞りなく荷物を出して、後は不動産管理会社の立ち合いの上で鍵の返却と清算に関して確認を取るだけでした。
立ち合いに来たのは40代から50代の男性の方でチェックシートみたいなものに記入して
各箇所を確認されていました。その際に、玄関の壁のこすった跡について申告をしましたが
「いただいたハウスクリーニングで補修できますので」と言われ、「敷金もおそらくすべて
返還になるでしょう」と言われました。
当日清算ができないため、後日清算書を送付の上で返金すると言われました。
その後、新しい家に引っ越して2週間くらい経過した際に、清算書が送られてきましたが内容を見て愕然とすることになります。
■トラブル編
敷金が返還されたら何を買おうなんていろいろ考えてたのが馬鹿らしくなるくらいの清算書が来ました。それには、ハウスクリーニング代を遥かに超えた部屋の補修代金、クロスの張替え、はたまた網戸の交換まで、まさかの敷金を超えた金額を請求されました。その金額は今でも覚えていますが、42,520円でした。
あの不動産管理会社の入居時、退去時の立ち合いの発言は何だったんだと、すぐさま不動産管理会社へ電話をかけ、詳細を確認したところ、クロスは1か所キズが入ったら全部取り換え、網戸の右側が破れているので取り換え、IHに傷がついているので取り換え、とか意味が分からない内容でした。
当然納得できない私は、立ち合い時の担当者に代わってもらい話をしたところ、「敷金が全部返還されるなんて話はしていないし実際あなたがきれいに使っていないから原状回復でお金がかかるんですよ。そのための敷金でしょ。その預かっているお金を超えたのでお支払いください」と言われました。
ただし、きれいに使っていなかった言われても入居前の写真を撮っていなかったのでその場は反論はできませんでしたが、当然承服することもできないので、こちらでも確認させてもらう旨伝えて電話を切りました。
普段から感情を出すタイプではないのですが、この時は電話を切ってから物に八つ当たりを
するくらい激怒したことをよく覚えています。
■戦闘編
そこから私は知り合いのつてで別の不動産管理会社の担当者と話しをする機会を
設けてもらい、こういった事例はよくあるのかを確認したところ、確かにこういうケースもあるが築年数や生活状況、補修内容を考えてもその金額は高すぎると言われました。
そこで、不動産管理会社へあまりにもおかしい金額なので、承服できないのでこちらでも
清掃やリフォーム業者に見積もりを取らせてほしいと提案しましたが、既に契約が終了しているので不動産管理会社と委託契約している業者以外は入室許可しないと言われました。
また、その際に振り込みの期日までご丁寧に言われて余計にイライラしたのを記憶しています。
弁護士への相談もよぎりましたが、知り合いのつての別の不動産管理会社の人がいろいろ裏技使ってそのマンションの賃貸に出しているオーナーさんを調べてくれたので、電車で1時間かけて行ってアポなしで訪問しました。
オーナーさんということでお金持ちとか怖いイメージを持っていましたが、意外にも
30代中盤くらいのご夫婦でとてもやさしそうな奥様が出られました。
玄関先ではありましたが、もろもろの事情説明をすると、主人に話して20時くらいに連絡しますと言われたためその場を後にしました。
■問題解決編
約束の20時頃にオーナーさんから連絡が入り、奥様に話をしたことと同じことを説明すると、不動産管理会社からは退去に関しては話を聞いてたがそんな請求の話は一切聞いてない。中古マンションを投資目的で買って賃貸に出してからあなたが2人目だけど、1人目の方はあまりきれいに使っていなかったけど、ハウスクリーンング代金以外はもらっていません。ということをおっしゃられていました。
私もその話を聞きながら、不動産管理会社が勝手にやってる?何か得体のしれないトラブルに
巻き込まれてる?なんて思ってしまいました。
オーナーさんからも不動産管理会社へ確認をするので、少し待っててほしいということを
伝えられ、いったん電話は切りました。
その数日後、何も音沙汰がなかったのですが、突如、銀行の口座に104,000円(敷金2か月分)が振り込まれていました。
振り込み後にオーナーさんへ連絡したところ、直接言っておきましたがご迷惑をおかけしました
とお詫びをされ、こちらもオーナーさんへお世話になったことへのお礼を言いつつ電話を切りました。
お金が戻ってきたので、正直どうでもよくなりましたが、問題の不動産屋にも一応振り込み確認をした旨を連絡したところ、ありえない返答がありました。「いちいち、ちくってんじゃねーよ、アホか」と。売り言葉に買い言葉じゃないですが、私も「詐欺まがいのことができましたね。御社の評判は広めておきますね」と。
なぜああいうよくわからない請求をしてきたのかは未だに理解できませんが、言いたいことを言えて少しすっきりしました。
この一連の経緯があって、入居時の証拠写真については部屋のいたる箇所を取り退去時まで写真を保管する癖がつきました。そのおかげで、その後は退去時のトラブルに遭うことなく、平穏無事に生活しています。