1.ペットを飼えないアパートに入居
私が学生時代に入居していたアパートは、ペットを飼うことができませんでしたので、そこに住む限り、ペットは諦めなければなりませんでした。ところがある時友人から、飼育しているカブトムシを数日間だけ預かってほしいいわれたので、引き受けました。餌をやるのがメインだったので、特に気を遣うこともなく、暇があればカブトムシたちを眺めて楽しんでいました。そんな時大家さんが、アパートの入り口を改装するからといって来たので、部屋に通しました。すると大家さんはカブトムシを見て、ここでは昆虫も本当は飼えないと言ったので、友人からの預かりものであること、直に引き取りに来ることを伝えました。大家さんもそれで納得してくれましたが、できれば事前に言ってほしいといわれました。以前はペットを認めていたそうですが、ある人が犬を飼っていて部屋がめちゃめちゃになってしまい、その後は断ることになったのだそうです。
2.猫といる女性を目にする
ところがその後、部屋への階段を上っていて、猫を抱いている女性を見かけました。最初は住んでいる人の友達かなと思っていたのですが、その2週間くらい後も、同じ人が猫と一緒にいるのを見かけました。それから3日ほどして、郵便受けを見ていたところ、隣に住んでいる人がやって来て、私に話しかけて来ました。実はその人も、猫と一緒にいる女性を見たということでした。しかもそれは昨日のことだったと言います。どうも内緒で猫を飼っている人がいるらしいということになり、2人で大家さんの所へ行って、そのことを話しました。もし今度見かけたら、写真を撮ったおきますと言ってその日は戻りました。するとその翌日、その猫だけが階段を下りて来るのを見たので、携帯で写真を撮ったところ、例の女性が降りて来ました。思い切って、この猫はあなたのペットですかと訊くと、その人は何も答えず、そのまま猫を追って出て行ってしまいました。
3.猫によるトラブルと退去
その後大家さんに猫の写真を見せ、女性の特徴についても話しました。大家さんはそれを聞いて、このままではトラブルになりそうだから、不動産管理会社に言ってみると約束してくれました。ところがその後、本当にトラブルになってしまいました。その猫を見た別の入居者が、このアパートはペットは飼えないのではと話しかけると、急に猫がその人の首のあたりをひっかいたらしいのです。猫の爪の手入れを怠っていたのか、その部分が腫れて医者にかかり、治療費を請求されてしまったということでした。また不動産管理会社も、ペットを飼っているだけでも規約違反なのに、他の人に迷惑をかけたということで、このことを問題視し、その人も退去することになりました。黙って飼っていればわからないと思っていたのでしょう。しかし猫は鳴きますし、実際それらしき声を耳にした人もいて、同じ階の人は気づいていたのではないかと思います。
4.不動産管理会社から書類が届く
その後不動産管理会社から、入居者全員に封書が届きました。というか、封筒に書類が入っていて、それぞれの郵便受けに突っ込んでありました。書類には今度の猫の件に加えて、規約は必ず守ってほしいということ、昆虫や金魚の場合は、事前に大家さんに言ってほしいということが書かれていました。私もあの時、大家さんに言うべきだったかどうかとも思いましたが、私が言わなくても、恐らく他の人が大家さんに話していただろうとは思います。恐らくオペット可能な物件がふさがっていたか、理想の物件がなかったかのどちらかだったのでしょうが、ペットが飼えない物件で猫を飼うことが、どういうことになるのか、考えてほしかったです。今はペット可能な物件で、あの猫と一緒に暮らしていることを願っています。