不動産管理78
賃貸アパートの退去時に、不動産管理会社を通じて高額な請求をされるというトラブルについて、実際に最近経験しましたので書いていきたいと思います。
（ちなみに大家がいましたが、契約の取り交わしは全て不動産管理会社を経由しましたので、大家と直接連絡を交わすことは最後までありませんでした。）
そこは、東京都世田谷区、賃貸アパート（2DK）、家賃87000円の物件でした。
2年毎に更新する契約で、半年前に更新したばかりでしたが、私の都合で急遽引っ越すことになりました。
当時私の仕事が多忙であり、平日は動けない為、退去の際の「立会い」や引越し荷物造りは同居人に一切まかせておりました。
この時やたらと「立会い」に関して金額の撤回をしません的な念書の提出を求められたりキナ臭いなと思ってはいたのですが、まぁ、きちんとしたお堅いカラーの不動産管理会社なのかなーと思い、さして気にしてませんでした。
同居人を通じて受け取った不動産管理会社作成の「解約精算書」の請求金額は「210，276円」の請求に対し、預かり金「137，200円」を差し引いた不足分「73，076円」を支払うよう請求されておりました。
内訳をみると、クロス全張替えの記載がありました。
請求内訳のうち、クロス張替えだけで「97，200円」請求されておりました。
問題はここです。→「クロス全張替え」
退去の際の「立会い」時に、同居人が現場に来ていた不動産管理会社の担当者に「クロスの張替え代も請求するのか」と聞いたところ、「はい、毎回いただくことになってますので！」としれっと流されたとの事でした。
いや、これはおかしい！とピンときました。
というのも、この部屋に引っ越してきた当初、内見の段階で壁（クロス）に恐らく直前まで住んでいた入居者家族の小さな子供が描いたであろうクレヨンの落書きがうっすら残っていたままだったのです。
これは推測ですが、この不動産管理会社は、退去者と、入居者、どちらからも「クロス張替え費用」を請求している。
そして、請求しつつもそもそも張替えなどしていないのだ！と察しがついたのです。
正直、仕事の多忙さと引越しのゴタゴタでたかだか7万ちょっと程度の請求などさっさと支払って終わらせてしまいたいと思っていました。
ですが、引越しってすっごくお金がかかりますよね？
（新居の契約代金、引越し屋代金、その他諸々・・・）
なので安易に振り込んでしまうのはマズイと思い、まずは消費者センターへ電話しました。
消費者センターに電話されたことがある方はおわかりになるかも知れませんが、消費者センターっていわば相談ダイヤルみたいなものであって、例えば不当な請求に対して何かを行使するような権限などありません。
消費者センターの女性からの助言としては
◆クロス全張替えは借主が支払う必要はない
◆支払わない（最悪逃げても不動産管理会社は追いかけてこない）
◆少額訴訟するといい
でした。
支払わないでいるのも、ずっとモヤモヤを抱えたまま何かに怯えながら暮らすのは嫌でしたが、平日会社からお休みを頂いて少額訴訟するのも大変そうだなとどうしたものかと悩みました。
悩みつつ様々なサイトを調べまくり、私はとある行政書士に依頼して「意見書」を作っていただき、それを不動産管理会社に送ることにしました。
ちなみに「意見書」作成依頼料は16，000円でした。
そうして不動産管理会社へ「意見書」を送って2ヶ月程経ち、やっと回答がきました。
「意見書」の内容を認め、当初不足分「73，076円」を支払うように請求されていましたが、請求額が「1，580円」と大幅に値下がりました。
4月上旬に退去し、不動産管理会社と決着がついたのが8月下旬。
約４ヶ月もの長い戦いでした。
さっさと少額訴訟でもしてしまえばよかったのかも知れませんが、仕事をしながらの状況で手探りでできる限りのことはし尽くしたと思っています。
あの日、引越しと仕事の多忙な時期のどさくさで支払ってしまわないでおいて本当によかったと思っています。
こんなトラブルに二度と巻き込まれないよう、悪質な不動産管理会社が撲滅することを祈ります。