１．子連れでは入れないマンション
社会人になって2年目の時に、一人暮らしをしようと思って、実家から歩いて10分ほどのところにあるマンションを借りました。間取りは1Kで、そう広くはありませんが、一人だからこれでも十分だと思っていましたし、何よりも駅に近いのが魅力でした。そこは基本一人暮らしの人のみ、例外的に夫婦二人暮らしが認められていました。二人暮らしの場合は1Kでなく、その物件に2つだけある1DKに入居することになっていたようです。全部で20部屋程度の物件で、お隣とは顔なじみにもなり、そこの生活は順調でした。ところがある時男の子を連れて入って行く人を見ました。当初は、入居している人の友達なのだろうと思っていたのですが、その後もしばしば同じ人を見かけます。女性で、髪の毛は長かったり、あるいはまとめていたりと様々でしたし、服装も全く違った物を身につけていることもありました。
２．子供と一緒に生活している様子
その人はオートロックを開けて入っていたので、ここに住んでいる人だとわかりました。しかし子供のいる世帯は入居できないので、恐らく仕事か何かでここを借りていて、たまに子供を連れて来ているのだろうなと思っていました。特にそのことで、こちらが迷惑をかけられているわけでもないので、その件は放っていたのですが、その後その女性が男の子だけでなく、女の子も連れて入って行くところをたまたま目にしました。しかも両手に買い物袋を下げていて、子供たちもランドセルを背負っていました。ちょっと違和感を抱き、不動産管理会社に電話をしてみました。会社の人は、もちろん家族連れは入れないこと、規約違反の場合は、速やかに退去してもらうといったことを話したので、その人について話したところ、部屋番号がわかりますかといわれました。
３．問題だと思って不動産管理会社へ
生憎部屋番号はわからないけれど、どういう人なのかは大体わかると言って、その人と子供たちの特徴を伝えておきました。告げ口するようで嫌でしたが、子供連れで入れない物件に子供と住むのは、やはり問題です。しかもその後、その男の子が友達を連れて来て階段で遊んでいたことから、他の入居者とトラブルになってしまいました。その人も子連れで入っていたのが、周囲にわかってしまって苛々していたのでしょう。他の入居者との折り合いが悪くなり、トラブルになりかねない事態がしばしば起こりました。私もエレベーターに乗ろうとしたのにドアを閉められてしまったり、生ごみをごみ置き場に置いて戻ろうとしたら、私や他の人のごみを外に放り投げ、自分のごみをそこに置いて、そのまま立ち去ったりということもあり、お隣の人も出て行ってほしいと言っていました。それでも不動産管理会社がなかなか動かないので、再度電話をして、対処してくれと伝えておきました。
４．結局その人は退去しました
それから2か月ほど経って、その人は転居して行きました。不動産管理会社の人の話によると、その人はご主人と家庭内離婚状態だったようで、子供はいないと嘘をついて部屋を借り、後で男の子と女の子を呼んでいたようなのです。家賃も滞納しており、なのに出たくないと、散々ごねていたようで、ついに裁判かという事態にまで発展し、退去したということでした。また部屋の状態も散々で、壁紙がはがれていたり、カーペットがしみだらけになっていたりして、現状回復が大変だと話してもいました。今後は、もう少し身元のきちんとした人に、優先的に紹介しましょうとその人も話していました。私は1年ほど経って、更新時期になってそこを退去しましたが、それまでの間、その女性が住んでいた部屋には、誰も入ることはありませんでした。