私は、京都の大学を卒業し、社会人になるタイミングで引っ越しをした際、不動産管理会社に不信感を抱き、非常に不快な思いをしました。
学生時代は古く狭いアパートに住んでいたため、私はとても気合いを入れて物件を探していました。
重視するのは何と言っても間取り。広々とした洋室に憧れており、ネットを中心に物件検索をする中で、とても理想的なマンションに出会えました。
その物件が位置するのは、京都市北区の閑静な住宅街。築年数はそれなりにありましたが、間取り・設備ともに十分、家賃も社会人1年目でも払っていくことのできる範囲内でした。
私は早速、その物件を管理している不動産管理会社に連絡を入れ、内見をさせてもらうことにしました。
内見当日、私は当時付き合っていた彼と一緒に不動産管理会社を訪れました。
彼は、内見の数週間前に交通事故に遭い、頭部にはまだ手術の傷を保護するカーゼとネットをつけている状態だったのですが、店内に入り席に通される間、社員さんたちは彼の頭を見てクスクスと笑っていました。
その失礼な態度に強い怒りを覚えました。今思えば、不動産管理会社を訪れた時点で不安がよぎり、嫌な予感がしたのであれば、物件の契約もやめておけば良かったと後悔しています。
私の担当者は50代の男性。うろ覚えですが、役職がついていたと思います。
簡単な説明の後、車でマンションに行くことになりました。
しかし、到着した直後、その担当者は車に寄りかかりタバコを吸い始めたのです。信じられない光景に唖然としました。
学生相手にナメられていたのでしょうか。
男性が一服した後、ようやくマンションの中を案内してもらえました。
私が希望している部屋はまだ入居中だったため、案内されたのは、別の階にある同じタイプの部屋だと事前に聞かされました。
9帖のダイニングと6帖の洋室の1DKです。
ダイニングと洋室は4枚の白いパーテーションで仕切ることもでき、一つにまとめて壁側に収納もできるタイプ。
パーテーションを収納すると部屋がとても広々として見えました。
キッチンにも小窓がついているので、明るく換気もできます。
担当者の男性からは「同じタイプの部屋なので安心してくださいね」と念を押して言われたことをよく覚えています。
接客には不信感を持ったものの、物件は全てにおいて理想通りだったので、私はその不動産管理会社と契約を交わし、社会人になる目前の3月末には引っ越すことに決まりました。
問題が起こったのは引っ越し当日です。マンションの部屋の鍵を開けてもらい、引っ越しの荷物とともに部屋に入った瞬間、愕然としました。
その部屋は、内見時に見た部屋と同じではなかったのです。
洋室だと思っていた6帖は日に焼けた畳の部屋・・・。
壁側に一括収納できると聞いていた白いパーテーションは、和室にあわせた完全なるフスマで、もちろん一括収納はできません。
キッチンにあるはずだった小窓もなく、部屋全体が暗く見えました。
目の前の現実に「聞いていた話と違う!」と思いましたが、既に時遅し。もう後戻りはできません。
学生時代のアパートは引払い、私の後ろには引っ越し業者さんがダンボールを両手に抱えて指示を待っています。
とりあえず荷物を運びこみ、引っ越しはひと段落させました。
引っ越しの翌日、すぐに不動産管理会社の担当者に電話をしました。
内見時の状況も含め、トラブルの事情をすべて説明しましたが「同じタイプの部屋とは一言も言っていない」の一点張り。
先方の言い分としては「“違う部屋なのだから若干の差異はある”という前提だった」ということでした。
その理由に納得できるはずがありませんでしたが、内見時の担当者との会話を証明する手段もなく、今さら別のマンションに変更するお金も時間もないため、最終的には泣き寝入りしました。
この経験から、物件選びの際は物件だけではなく、不動産管理会社の評判をしっかりと調べた方が良いと学びました。
特に社員の対応や態度に不信感を持った場合は、即決するのは控えた方が良いと思います。
引っ越しには、時間も費用も体力も必要です。
気持ちの良いスムーズな対応ができる不動産管理会社選びもトラブルを避ける一つの方法かもしれません。