15年ほど前、学生時代に、杉並区の西武新宿線沿いで一人暮らしをしていました。
不動産管理会社さんが紹介してくれたのは、ロフト付きの1Kのアパート。
「駅から徒歩5分!ロフト付き!日当たり良好!」
という、うたい文句につられ、見学しに行ったところ、確かに素敵な物件だったのでうきうきと契約し、さっそく新生活を始めました。
1Kは狭かったのですが、ロフトはけっこう広いし、そこにお布団を敷いて寝てるなんていいなあ~!と夢見ていたんです。
ところが、いざ生活し始めてみたら、問題ありありのアパートでした。
まず、二階住人の騒音が朝から晩までうるさすぎて、ロフトではまったく眠ることができませんでした。
足音、物音、叫び声、笑い声などなど。しばらく我慢しましたが、あまりにもうるさいので、不動産管理会社さんにも苦情を申し入れました。
二階住人に注意はしてくれたようなのですが、まったく騒音は収まりません。
収まるどころか、どんちゃん騒ぎをする回数が増えたくらいです。
二階住人が男性ということもあり、女性の私には勇気がなく、直接苦情を言いに行く気にもなれずに、結局ロフトで眠る夢はあきらめて、ロフトは倉庫代わりになりました・・・。
そして、うたい文句の「駅から徒歩5分」にも罠がありました。
確かに、直線距離で考えると、徒歩5分で間違いなかったのですが実は、西武新宿線沿線は踏切がたくさんあるエリアで、踏切を毎日毎日渡るので、それにかなり時間がかかるんです。
特に朝晩は電車の往来も激しく、踏切があかない時間も多くなります。
「駅は見えるのに、電車も見えてるのに、まだたどり着けない!!」ことが、意外とストレスになりました。
まあ、これは私の判断ミスでもあるので、不動産管理会社さんが悪いわけではありません。
最後のうたい文句、「日当たり良好!」ですが確かに日当たりはよかったんですが、西日だったのでもう、夏は猛烈に暑くて暑くて・・・家にいるのが苦痛なほどでした。
結局遮光カーテンを買い込み、午後はそれを閉めっぱなしの生活で電気をつけなくてはなりませんし、なんだかとっても損した気分でした。
網戸ももともと壊れていて、全然窓も開けられなかったですし。
さて、そんなトラブル続きの物件に我慢して住み、2年近く経過し、退去することにしたところ当然のように、不動産管理会社から敷金は100%返さないと連絡が来ました。
内訳が縷々書いてあったわけですが、その中には、もともと壊れていて、一度も使えなかった網戸の修理費やらたった1日しか寝れなかったロフトの床の張替やら私にとっては、理不尽な内容がてんこもりでした。
あまりにも腹が立ったので、不動産管理会社へ連絡し、不満を伝えると最初はのらりくらいの対応。
すごく腹が立ちましたが、粘り強く不満を伝え続けると、結局「敷金の返還については、大家さんが決めることなので、大家さんに連絡してほしい」と言われました。
そこで私は、契約書を見て、大家さんのお名前と住所を調べ内容証明郵便を書いてお送りしました。
これまでいかにトラブルがあったか、いかにうたい文句と乖離があったか、ここまでどれだけ我慢して生活してきたか、漫然と慣習に従って、100%敷金を返せというのはおかしい、と。
少なくとも網戸の修理費は私は払う云われはない、と。2年間我慢していたので、かなり強い口調で書き進めました。
大家さんは当時、70代の女性で、私からの内容証明郵便にかなりびっくりされたようです。
当初は「みなさんから100%敷金はいただいているものだから・・・」
の一点張りだったのですが、当時は裁判所の判例でも「理由なく敷金を100%返還しないのはおかしい」という判例が出始めていた時期だったので、それも盾にして粘り強くお手紙をお送りしたところ、結局50%ほどの敷金を返していただけました。